
OpenSolaris/Jaris最新版が2010年10月中旬より一ヶ月の期間限定公開
こんにちは。匠技術研究所の谷山 亮治です。
OpenSolaris/Jaris最新版が2010年10月中旬より一ヶ月間、期間限定公開されています。
Jarisプロジェクトは、すぐに使える日本語OpenSolarisを提供する、OpenSolarisを源流とする日本発のプロジェクトです。プリンターを含め、日本語環境が予め設定されているので、容易に使い始めることができます。
また、OpenSollaris上のWindowsエミュレーターにWindowsアプリケーションをインストールし、動かすことができます。全てのWindowsソフトウエアが動作するわけではありませんが、実用的に動作するソフトウエアもあるようです。
しばらく休止していましたが、待望の活動再開です。早速ダウンロードを始めました。起動が楽しみです。
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オラクルがオープンソラリスに、どこまで
肩入れするのか(OOoも然りですが)
期待はしているんですよ。Ubuntuよりも
windowsソフトを動かすのは容易そうですし
Windowsソフトの実行基盤としてのOpenSolaris/Jarisには日本発ディストリビューションとして期待していますが、長期的にはブラウザをOSと見立てた方が良いと思いますし、Windowsの画面転送を活用する方が安心して使うことができます。
OracleはOpenSolarisに対しては「なにもしない」形で手を引きました。一方でMySQLは残っています。
OracleはもともとOracle DBMSというクローズドソースで成長した会社で、成長モデルはMicrosoftやApple等と同じです。MicrosoftやAppleもオープンソースとの融合に対してはその接点を公開、維持しています。OracleはMicrosoftやApple、そしてIBM、HPと異なり「基本ソフトを持たない」巨大ソフトウエア企業でした。ところがLinuxの登場で「Unbreakable Linux」というRedhat Enterprise Linux(RHEL)を上流とする言わば「Oracle Linux」を投入して「Oracle DBMS + Unbreakable Linux」パッケージを展開しています。Linuxの信頼性向上の面ではLinuxコミュニティーにbtrfsやクラスタの実装などで貢献しています。
Oracleは先のSUNの買収で念願の「自社基本ソフト」と「自社ハードウエア」を手に入れ「Oracle DBMS + Solaris + サーバーハードウエア」のパッケージを展開できることになりました。既にブランドイメージを確立済みのOracleにとって「オープンソースのスポンサー企業としての印象の強いSUNブランド」を活用すること無くあっさりOracleブランドに切り替えたところを見ると「OpenSolarisへの貢献」がOracle Solarisブランド向上に役立つとは考えなかったのだと思います。
Oracleにとって、もはやOpenSolarisは過去のものですしLibreOfficeが派生したOpenOffice.orgも同じかもしれません。OpenIndianaユーザに求められているのは「スポンサーがOracleだから使う」のか「ソフトが優秀だから=可能性を感じるから使う」のかの判断です。オープンソースプロジェクトには「必ず貢献者が必要」です。貢献者が増えていく社会的な経済モデルをOIが確立できるのかがOIの成長を決めることになります。
私はOpenSolarisの頃からOpenSolarisの基本ソフトの可能性に惹かれて使っています。OIとなった今でも安定版が出れば使い続ける予定です。他のオープンソースプロジェクトに対するスタンスと同様に、コードを書く貢献はおそらくしませんが、先ず利用者となることで貢献し、このように情報を公開することでOIプロジェクトに貢献ができればと思っています。
SUNがオラクルに吸収された時点、いかにもありがちなSUNの機械がOpteron搭載機になった時点で、Nextを彷彿させる結果が予測されるものだったのかもしれません。